相模川から制水権を考える

飯岡宏之(SUW研究所代表)  水資源・環境学会 冬季研究会は『水の安全保障を考える−制水権という概念をめぐって−』というものであった。折からのロシアによる無法なウクライナへの侵略もあって、お二人の報告はタイムリーなものであった。もともと国家と水問題はさまざまにからまって、ますます複雑になっている。 筆者がおもな研究対象としている相模川、その河水統制事業で建設された相模ダムは1941(昭和16…

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阪神大水害の地を訪ねて

梶原健嗣(愛国学園大学)  年末に神戸を訪ねた。目的は、執筆中の『都市化と水害の戦後史』(仮称)の1節、阪神大水害の調査である。阪神大水害というのは、1938(昭和13)年7月、神戸市を襲った水害で、兵庫県での死者・行方不明者は715名、このうち神戸市が616名だった。 折からの台風に刺激された梅雨前線は神戸市、西宮市などに集中豪雨をもたらした。神戸測候所で記録された降水量は、7月3日が49.…

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下水道の終末処理場をめぐる省庁間のバトル

平山奈央子(滋賀県立大学)  おうち時間が長いコロナ禍、ゆっくりお茶を飲みながら『日本下水道史』なるものを読み進めています。そばで見ている夫は、マニアックな趣味だと思っているかもしれません(笑)。 日本下水道史は総集編・行財政編・技術編・事業編の4編に分かれています。同書は、下水道の激動時代に建設省都市局下水道部長の職にあった久保赳氏を中心に、建設省・国土交通省や地方自治体の下水道部局のOB・…

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