自転車を降りた湖畔には

(公財) 千里リサイクルプラザ研究所 土屋正春

 私の住まいから琵琶湖畔までは近く、途中の信号が赤でなければ、下り坂でもあり自転車で30秒もすると水辺に至ることができる。そこはこの世界では知られたところのようで、土曜休日には早朝から身支度を整えた多くのバス釣りが草の陰から、ボートの上から、それこそ静かな水面に身を乗り出すようにして魚影に挑み続けている。

 今は鎮まりかえっているように見える湖面も先の台風21号と24号ではボートやヨットを係留していたステンレスのチェーンを破断させるほどの波浪を伴い、いろいろと大きな影響をもたらしたのだが、この台風の襲来で改めてはっきり気付いたシーンがある。

 そのひとつは、なによりも大量の水草が千切れて流れ出したことで、いわば生態系破壊者として特定外来生物の指名手配をされている大花水金梅(オオバナミズキンバイ)も含めた長短いろいろな水草の茎があちこちにあり、私もその断片を岸辺で手にした。もうひとつは今や話題の先端でもある水中プラスチックごみが巻き上げられ、打ち寄せられて、その多さを見せつけられたことだ。

 ところでこのような水草に対しては、滋賀県も水中コンバインのような作業船を動員し、あわせて根こそぎの刈り取りを徹底するために作業員が腰まで水に入って手作業で駆除をしている。岸に近づくほど抜き取りや刈り取りには船が入れず、そうした困難な様子を日頃から眼にしていたので、私も関心を寄せていたのだ。 

 関心の的は、よく言われる繁殖力の強さは実際のところはどうなのかという基本的なものであったのだが、手にした20センチほどの茎をよく見ると見事に新しい芽が出ている。以前、蓮の実が台所の流しで発芽し、その想像をはるかに超えた驚異的な伸び方を思い出した。自然界の生命力には敬服するばかりだ。

 一本の「棒」であった茎から、気温が下がってきているので「一週間で数センチ」とまではいかないものの、千切れて浮遊する断片はそれこそ無数にあるわけで、それがこのように芽が付いているとなると…。

 また近所をゆっくり走って水辺に出てみた。そこで改めて手にした小さな茎からの問いかけには今更ながらの重さを感じさせるものがあった。


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注・滋賀県の関連する代表的なHPは次の通りで、生育水域の拡大傾向や年間の様々な駆除事業などの情報提供がされている。

http://www.pref.shiga.lg.jp/d/shizenkankyo/oobana-nagae.html

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